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New Album  Core

今宵Teddy Pendergrassと

皆さん同様、僕がいつでも「新鮮な懐かしさ/永遠の旬」を持っていると思うサウンドのひとつが、フィリーソウルやサルソウルといった70’s~80’s前半の所謂ダンスクラシックスと呼ばれているサウンド。HPリニュアルのタイミングでそんなフィリーソウルやサウソウルの紹介を含め、これまで僕が過去のblogに書き散らかしてきたものを取りまとめ順次紹介して行こうと思いました。

やはりまずは、軽くフィリーソウルやサルソウルの解説から。

フィリーソウルというのはフィラデルフィア・ソウル(Philadelphia Soul)の略で、フィラデルフィアっていうのは・・・・アメリカ東海岸のPennsylvania州の一都市。ここは古くから音楽が盛んな土地だったようで、50年代のDoo Wop、60年代のcameo/parkway始め数多くのダンス・ミュージックや作編曲家、ミュ ージシャン達が育てられた街なんです。60年代にも沢山の音楽プロデューサーや作編曲家、ミュ ージシャン達が登場して来たんですが、そんな中、ケニー・ギャンブル(Kenny Gamble/作曲家、歌手)とリオン・ハフ(Leon Huff/ピアニスト、作曲家)という2人のプロデューサーが出会い意気投合、Gamble & Huffというコンビを組み、Philadelphia Internationalという会社を発足させた事が始まりなんです(トーマス・ベル/Thom Bellというフィラデルフィアで古くから活躍していた作曲家も加わり71年にPhiladelphia International Records通称PIRというレコード会社を設立)。

そこから産み落とされたサウンドは、当時ブラック・ミュージックに力を入れていたコロンビア/CBSというメジャー資本のバックアップを受け、瞬く間に全米を席巻していき、70年代はブラック・ミュージックといえばPhilly Soul ! と言われる程、ブラック・ミュージック・シーン、ソウル・シーンに無くてはならない存在になっていきました。

全てをギャンブル & ハフが掌握し、行動を供にするMFSB(Mother,Father,Sister,Brotherの略です)と呼ばれた多くのスタジオ・ミュージシャン、作編曲家、そしてスタジオ(Sigma Sound Studio)、さらにはその音を作ったチーフ・エンジニア、ジョー・ターシア(Joe Tarsia/この男の働き無しにフィリーソウルのサウンドは語れません。日本でも一時クラリオンのCMに出ていてのけぞったものです。)等、多くのスタッフにも恵まれ、ストリングスを要した華麗かつ、それまでのソウル、R&Bをより洗練された都会的で聴きやすいそのサウンドは数多くのヒットやスターを産み落として行きました。

その後、76年あたりにロニー・ベイカー(Gt)、ノーマン・ハリス(Gt)、アール・キング(Dr)を始めとするMFSBのメインのミュージシャン達が、ヴィンセント・モンタナ(Vib)が指揮をとるサルソウル・オーケストラに鞍替えしていくという事件が起きました。ギャンブル & ハフがあまりにも曲のメッセージを重視するのが嫌になり、シンプルにサウンドを楽しみたいと考えたミュージシャン達が去って行ったと言われていますが、こうした出来上がったサルソウル・オーケストラによるサウンドがサルソウルと呼ばれて、こちらもヒットを次々に大量生産して行く双璧となるのですから、なんとも微妙な事情だったりします(ちなみにその後も女性コーラス隊等はMFSB、サルソウル・オーケストラ双方を股にかけて活躍します)。

そんな事件もなんのその。MFSBは新たなミュージシャン達やイエロー・サンシャインのメンバー、デクスター・ヴォンゼル(Dexter Wansel)という作編曲家等の登場により、さらなるヒットを量産して行きます。

こうした名曲達はジェイ・Z等ヒップホップ・アーティストにサンプリングされたり、それこそ無数のカバー曲があったりと現在も様々な形で受け次がれています。

実は今年はPIRの看板スター、テディ・ペンダーグラス(Teddy Pendergrass)の死去(まだ59歳でした)という悲しい出来事があったり、本社社屋が火災に見舞われ、過去のゴールド・ディスク等が全て焼け落ちるという暗いニュースが続いたりもしていました。それでも来年の40周年に向けクラブも併設したという新たな社屋で巻き返しを図っていると言う嬉しいニュースも聞きました。

そんなフィリーソウルには、僕の永遠の旬=“Eternal Gold” な名曲満載なのでこれから少しずつ紹介して行きたいと思います。

今夜はTeddy Pendergrassの名曲をいくつか。
The More I Get The More I Want / Teddy Pendergrass

そしてこちらもプレイ頻度も高めな大好きな曲。
You Can’t Hide From Yourself / Teddy Pendergrass

こんなシンプルなダンス・チューンも良いです。
Get Down, Get Funky / Teddy Pendergrass

最後に彼の代表曲のひとつを。マービン・ゲイやアル・グリーンと共にセックス・シンボルとも呼ばれた彼のバラードをじっくりお楽しみください。
Close the door / Teddy Pendergrass